自覚症状がない間に進行する合併症

糖尿病は初期の段階では、ほとんど自覚症状がありません。

少し病気が進んでくると、喉が渇く、水を大量に飲む、頻尿になる、あるいは食べているのに痩せるという自覚症状が現れてきます。

しかし、他の病気に比べると進行も緩やかで、目立った症状が出るわけではないのです。

ですから、自分が糖尿病になったという自覚がなかなか持てなくても無理はありません。

そのため、糖尿病にかかっても治療の必要性を感じず、食生活も気にしないという人もいるのですが、それは大きな間違い。

いくら症状がないからといっても、糖尿病をそのまま放置するのは絶対に止めましょう。

血糖値が高い状態が続くと、体の様々な部分に異常が起こります。これが糖尿病の合併症であり、合併症が進むと最悪の場合には死に至ります。

それでは糖尿病の最も恐ろしい合併症について説明します。

糖尿病の三大合併症

糖尿病を患うと、様々な合併症が出てくるのですが、中でも、神経、眼、腎臓に出る症状を三大合併症と呼んでいます。

糖尿病性神経障害は、最初手足のしびれから始まります。糖尿病の初期の段階から、手足のしびれを感じる人いますが、一番早く症状が出てくる合併症です。

症状が進むと、自律神経や末端の神経も破壊されます。

恐ろしいのは、痛みや熱さを感じなくなってしまうこと。化膿したことにも気がつかず、壊疽を起こしてしまうこともあるのです。

そうなると、その部分を切断するしかありません。また、血糖値が高い状態が続くことで、血管が侵されます。

糖尿病性網膜症は、目の網膜の血管が破壊されることで眼底出血が起こることが原因です。

糖尿病による失明は網膜剥離によるものですが、初期の段階から血糖値を下げることで最悪の事態は避けられます

一刻も早く糖尿病の治療を始めて、これ以上合併症を進行させない事が何よりも大切です。

なお、成人が失明する原因で一番多いのが糖尿病によるものと言われています。

腎臓に障害がおこることを糖尿病性腎症と呼ばれています。

腎臓では、体内の不要物や毒素をろ過する働きがあるのですが、その部分がダメージを受けるために、ろ過装置が働かなくなります。

症状が進むと、人工透析が必要な腎不全という状態になります。

糖尿病性腎炎などの糖尿病合併症の進行具合は検査によって分かりますので、自分で健康管理をして定期的に診察を受けるようにしましょう。

糖尿病にかかるという事は、生活習慣が悪かったり運動不足になっている可能性が高いので、痛風などの病気も同時に併発する可能性があります。